か K |
Kは無声子音です。
無声子音ってなーに?
声帯を震わせることなく、息を吐き出す音で発音する子音のことです。
のど(声帯のところ)に指をあてて「かー」と言ってみてください。
「かー」
のどが震えていますね。声帯がふるえる感じがわかりますか。
次に日本語の「キック」を言って ください。
「キック」
声帯は?
ふるえています。
キックのクのところもふるえてますね。
それでは、Kickを発音してください。ckのところは声帯がふるえていますか?
ふるえています。
残念でした、それは「カタカナ式発音」です。
練習 1 語尾のK |
キック Kick |
ポイント:
日本語「キック」のクは有声音(声帯がふるえる)、Kickのckは声帯が震えないで発音する
練習です。ckは声帯をふるわせないでできるだけ大きな音を出す練習です。
できません。
だれかのドジを笑うときに、手で口をかくして「クックックッ」とやりますよね。この時の
「クックックッ」がckに近いイメージです。
★ちょっと堅い音声学の話★
Kは破裂音です。調音点(発音をコントロールするところ)は軟口蓋です。
な、なんとー!
★「破裂音」とは、風船が破裂するときにパーンと音がするイメージです。
口のどこかで息をいったんとめて(ためて)ドカットはき出すときに音が出ます。
大きな音を出すためには、たくさんの息が必要です。
軟口蓋ってなに?
★口蓋は舌がさわることのできる、口の天井です。前から(歯から)2/3(さんぶんの二)
は内側に骨があるので、硬口蓋と言います。
いちばん奥の1/3は骨ではなく、内部が筋肉で出来ているために
軟口蓋といいます。調音点が軟口蓋ということは、舌の奥が軟口蓋に触れて(閉じて)息の
調整をするということです。
Kの発音は、舌の奥を持ち上げて、軟口蓋をふさぎ、いったん息を
そこでとめて、その息を「どかっと」出すときにのどでだす音です。「クックック」と言ってみてください。
舌の奥が息の通り道をいったんふさいでいる様子が感じられますか。
「クックック」舌の奥がどうなっているか感じられないんだけど。
舌の奥は、あまり敏感ではないので、わかりづらいですね。だんだんとなれて、舌の奥の動きを 感じられるようになります。
舌の奥をきたえて、しっかりと息をふさげるようにならないと、きれいなKの音が出ません。特に、 語尾のKをはっきり強く出すためには、この筋肉トレイニングが必要です。
日本語の「ク」を発音している様子をスローモーションで あらわすと、舌の奥が口の天井にわずかに触れています。「かきくけこ」の 5つとも、舌の奥が天井に触れています。ほんの少ししか触れていないため、普段は接触しているという 認識がありません。
英語のKでは、舌の奥は口の天井にべったりと触れています。 しっかりと息をせき止めてから、どばっと息を開放したときに出る音がKです。Kを破裂させる息の圧力は 日本語よりも数倍強いので、この圧力に耐えられるだけ力を入れて舌の奥を持ち上げておく筋力が必要です。
英語でKに出会ったら、すべてのKに対してかならずこの発音方法で 音を出してください。Kは沢山出てきますね。すべてのKを発音するためには、かなり肺活力を つける必要がありますよ。
普通の会話のスピードでKを発音するためには、すばやく息に圧力を かける必要があります。
Next textが良い例でしょう。
語頭のKの発音
KickのKiの発音はKを発音してから(少し遅れて)、i
を発音します。Kを子音だけの発音をしてから、i
を付け加える方法で練習してください。
英語の子音があったら、Kの場合、子音だけをまず発音してから母音の発音を付け加えます。
Kickの i の発音方法
英語の i の発音は2種類あります。(第3章参照)
緊張したi とリラックスしたiです。Kickのi はリラックスしたiです。つまり、舌の高さは「い」
と「え」の間ぐらいです。
★Kのポイント
日本語の「キ」は子音Kと母音「I」をミックスして発音します。
英語の場合は、KとIは別々の2つの音として発音します。
日本語の発音を知らないアメリカ人に「カキクケコ」を発音してもらうと、子音を発音してから母音を 付ける発音の英語がそのまま出て、次のような発音になります「くあ、くい、くう、くえ、くお」
なぜだかもうわかりますね?
●このKの発音で舌の奥を口の天井にくっつける訓練を十分に積んでください。Rをきちんと発音する ためにも必要で有効な訓練です。
質問が来ました。
「舌の奥を天井につけると、舌全体が後ろに来るが、それでいいのですか。」
その通りです。舌の奥を強調しましたが、Kの発音では、舌の先を含む舌全体が口の奥に来ます。