ざ Z

練習6 Z
zoos
ズーズ
Sを2秒
Zを2秒

SとZは兄弟関係にあります。
Zの発音方法はSと同じです。
ただ一つ異なるのは、Sは無声、Zは有声音という違いです。
Sを発音する方法で、同時に声帯をふるわせるとZの音になります。

有声の発音は、母音の発音とは異なることは、Gの所で話しました。

日本語の「ズーズ」の発音には完全な母音のUが付随します。
zu:zuとなります。

英語のzoosの語尾のs(ズ)にはUの音が付きません。
Sの鋭い摩擦音に声帯の純粋なビーという音を同時に鳴らします。

摩擦音は息の続く限り、発音を続けることが出来ます。
Sを2秒間発音することは、比較的簡単にできるようになります。
爪楊枝のスーを続ければ良いのです。
Zを2秒間発音するのは非常に困難ですがチャレンジしてください。
日本語の「ズー」を2秒間発音すると「ズーウウウ」と「う」で終わります。
ZZZZZはウの音をつけないで、スーという強い摩擦音にビーという声帯をふるわせた音を添えた ものです。

有声子音がなんとなく解かりましたか。
zoosの語尾は母音の「ウ」にならないように、有声子音で短く発音してみてください。なんで (有声)子音と言うのかがわかってきます。

zoosの発音では舌の動きはどうなっているのでしょうか。
はじめのZの発音では舌は前方にあります。次にu:の発音をしに舌は口の奥に移動します。そして 再びS(Z)の音を発音するために舌は前に移動します。

英語では舌が一音一音大きく移動します。
日本語の場合「ズーズ」の舌の動きはわずかです。

この舌の動きは体育系の運動です。体育系の訓練がかなり必要です。

Parrot'sLawのStep 2の終わりに、一緒に発音する練習に入ると
皆さん、自分の舌の動きが十分でないことに気づいて愕然とします。
リスニングの能力が自分の発音の能力を追い越した証拠です。
そこまでいくと、リスニング100%のマスターはもう目の前です。

KとGは破裂音です、破裂音は一息で短く一度だけしか発音できません。
摩擦音は、連続して息の続く限り発音することが出来ます。

摩擦音と、破裂音の違いを覚えておいてください。

読者の方から、有声子音の発音方法の「ブザーのビーという感じ」が 良くわからないという質問がありましたので、説明します。

Zなどの有声子音の発音はSなどの無声子音と同様に、日本人には苦手な発音方法です。 有声子音では「あいうえお」以外の有声音を発音します。「あいうえお」の音になってはいけません。

日本人は、有声(声帯を振動させる)の発音をさせると、どうしても「あいうえお」 のどれかの音になってしまいます。生まれてからこの5つの有声音しか発音していなかったためです。 (Z、Gなどの有声子音も日本語にはありますが、常に母音が続くので決して独立して発音されていなかったのです。

無声子音をきちんと発音するためには、数億回繰り返した「あいうえお」の音から 脱皮する必要があります。

ブザーのビーと言ったのは、声帯をふるわせたときに「あいうえお」の音にしないための練習方法、 イメージトレイニングです。

たとえば、有声子音のZです。Sの発音のまま、声帯をふるわせます。日本人のZの音は、 口がどうしても「う」の形になって、カタカナ式発音の「ZU」になってしまいます。 Sを発音しながら、声帯をブザーのイメージでブー−と震わせるのです。口が「う」の 形にならないように、抵抗してください。目の前でやってみせると、分かると思いますが、 文字であらわすのは難しいですね。

原理は単純なのですが、完全に出来るまでには、数千回は繰り返す必要があります。