な N NG

nと日本語の「ん」とはおおいに違います。

nと日本語の「ん」は同じ音でしょ?

日本語の「ん」はngの音です。

練習 13
kin   king   金
finger   England
sing   sin  シング  新

kingと金はほとんど同じ音です。
kinのnは日本語に無いために練習が必要な発音です。
日本語の「ん」とngは「鼻音」で調音点は軟口蓋(口の奥の天井)です。

n

nは「鼻音」で調音点は歯茎です。
Lと同様に舌の先を上の歯茎にべったりとくっつけて、息をさえぎり、鼻に息を十分に抜きながら「ん」と発音します。
語尾のnは歯茎と舌の先で息をさえぎって、十分に息を鼻に抜くので極端に発音すると「ウンヌ」のようになります。
kinは「キンヌ」のような発音をします。

nもngも有声子音です。「ンヌ」と鼻に息を抜くときにちょっとだけ声帯をふるわせます。 ブザーのビーという感じで声帯を震わせます。

nとngの大きな違いは、息を口のどこでせき止めるかです。
nは歯茎、ngは舌の奥を持ち上げて口の天井をふさいだところで
息をせきとめます。

Nは舌が前、NGは舌が真ん中からやや後ろにあります。

日本語の「ん」はngと同じに舌の奥を口の天井に触れさせます。
このために、カタカナ式発音でnを発音するとすべてngの音になってしまいます。

nの発音はLと同様に少し体育系の訓練が必要です。
nもLも舌の先を歯茎にべったりとつける習慣をつけるためです。

ngは「ング」とgの音が入るんでしょう。

ngは語尾にある場合は日本語の「ん」と同じ音です。
ngが語中にある場合は「ング」と発音します。
finger Englandがその例です。

fingerのngをスローモーションで再現しましょう。
nで舌の奥を持ち上げて口の天井に触れ、息をせきとめて、息を鼻に抜きながら声帯をふるわせます。(ブザーのビーという声帯の原音)gは破裂音なので舌の奥に強い圧力で息をためて舌をすばやく下げて息をどかっと吐き出します。このとき声帯を震わせます。

sing sin シング 新
この4つの発音のうち、同じものはどれでしょう。

singとシング? あ、singと新。

そうですsingと新が近いのですが、新はshingの音です。

sinのnは十分に息を鼻に送り込みましょう。十分に息を鼻に送っているとnの発音を終えるときに、舌を歯茎から離すときにこの音も加わり「ンヌ」となります。息を強く鼻に送りつづけるのです。この感覚を経験しましょう。

そんなこと言ったって、kingは「キング」と発音しているよ。

kingの基本的な発音は「キン」です。
kingのうしろに単語が続く場合、ngのgが次の母音とつながtってgの発音が復活します。
The King of England.の場合、kingは次のofの母音oがあるためにgがgとして発音されます。

 

★音声学的考察
音声学的には、king ofのように前の単語の語尾が普段は発音さないものが次に来る単語が母音で始まるときに、発音されない語尾の子音が発音されて次の単語の母音とつながって発音される現象をリエゾン(Liaison)といいます。

リエゾンの正確な定義は次の2つの条件があるときです。
1 語尾に発音されない子音がある。次の単語が母音で始まる。
2 語尾の子音が次の母音とつながり、その子音が発音される。

リエゾンはフランス語では日常茶飯事に現れますが、英語ではまれです。

連音ができるように練習するには「2つの単語が自然につながる」ルールのところを読んでください。

 

以上に関して質問が来ました。

教則本の「n, ng」の章の以下の記述について質問させてください。
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ngが語中にある場合は「ング」と発音します。
finger Englandがその例です。
 :
The King of England.の場合、kingは次のofの母音oがあるためにgがgとして発音されます。
-----------------------------------------
上記の記述から、「語中」にngがある場合と、「ngの次に母音がある場合」に「g」が発音される、つまり、「ngが語中になく」、「ngの次に子音がくる場合」「g」は発音されない、と理解しましたが、「Things」の場合はどうなりますか?
(「Things」は複数形のsが次にくる場合はこの場合の「語中」にあてはまるか、という疑問です。)
教則本の例も含め、自分の理解のため下記にまとめてみましたが、これ(↓)って正しいですか?内容の確認、訂正などお願いできますか?
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English ... 「語中」なので「g」を発音する
Singer ... 「語中」でもあり、「ngの次に母音」もあるので「g」を発音する
King of ... 「ngの次に母音」があるので「g」を発音する
Things ... 「語中」なので「g」を発音する
Something zesty ... 「語中」でもなく、「ngの次に母音」も無いので「g」は発音しない
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(...これで場合分け全部かな...)

... 無理矢理 "zesty"などという単語を持ってきたのは、上の規則が正しいとなると、"ng"のスペルの次に"z"の音が来る場合でも「g」を発音する場合、しない場合が発生するな...と思いましたのであえて入れてみました。

ngはgではないので、girlのgのように強くは発音しません。
ngの発音で多くの場合がnだけになりがちです。

そんな中でngのgの音がわずかに発音される場合を
表したつもりです。
強くはっきりとGを発音すると言うことではありません。
誤解される表現のようなので、訂正しておきます。

カーペンターズのSINGにはngがたくさん出てきます。
持っていたら聞いてそっくり真似してみてください。