2つの単語がつながる

 

 

 

ひとつひとつの子音母音の発音と同じ位、あるいはそれ以上に重要なのが、2つの単語をつなげて発音する、 英語の発音のしくみの理解と、練習です。

2つの単語がつながっているところが聞き分けられない。
どうしたら良いんですか?

というおたよりをいただきます。

2つの音がつながって発音できるようになるためには、「カタカナ式発音」から脱皮できている必要があります。

子音を独立して発音できていることが条件です。
無声子音によけいな母音がつかないで発音できるようになってからチャレンジしてください。

「どうやって2つの単語をつなげて発音するの?」
と英米人に聞いても、本人は全く意識したことがないので、
「え、なんのこと?」
と聞き返されてしまいます。

次の3つの当たり前の発音が出来てくると、2つの単語が自然につながって発音されます。ほんとうに 「自然につながる」のです。英米人は意識して2つの単語をつなげているわけではありません。

1 子音を独立で発音する。
2 子音をじゅうぶんに響かせることが出来る。
3 次の単語の母音を前の単語の子音にすぐに続けて発音できる。

練習 38
Take it easy.
[Teiku itto i:zi:] (カタカナ式発音)

1 [teik it i:zi]
2 [t e i k i t i: z i]
3 [Teiki ti: zi]

 

練習38は子音で終わる単語の次の母音で始まる単語の発音がつながるしくみを理解して 練習するための訓練です。

 

t e i k   i t   i: z i
t  e  i  k  i  t  i:  z  i
t e i k i   t i:   z i

 

この3通りの発音とも、発音している子音と母音は全く同じです。
(カタカナ式発音との違いが出来ていれば、なるほどと解かると思いますが。)
とても意外でしょうが、スペルに惑わされてはいけません。

まず3通りの方法で発音を練習してください。
どれが一番楽ですか? え、1番目? それじゃー2番目?

答えは、2番目と3番目の間です。
日本の学校式の発音で1番目を発音すると、とっても疲れます。
なぜでしょうか?破裂音のKとかTは息のものすごいエネルギーが必要です。
(あなたがまともに、KとかTの発音をしていたらの話しです。カタカナ式発音ではKとかTの後ろにまだ 母音がくっついています。KとかTの息も全然弱いままです。)

1番目の発音では、KとTで音を切っています。KとTで使った大きな息のエネルギーがこのひとつひとつの 音だけの発音に使われています。次のitのiの息はまったく別の息を使って発音を始めます。

これに対して、2番目と3番目の発音方法ではKとかTの破裂音の息のエネルギーの一部が次の母音の iに有効に使えます。

実際のNative Speakerの発音も、2番目と3番目の中間です。 Listeningの章のParrot'sLawの Phase2のPROSODYの練習の所で Take it easyとは別のさまざまな文章で習得してください。

 

練習 39
You did it again

1 [ju did it @gen]
2 [j u d i d i t @ g e n]
3 [ju didi t@gen]

 

練習39は練習38と同じ目的の練習です。1、2、3の順に子音・母音の結合部分を変えて練習します。 あなたの脳の言語野の英語の部分を、1の学校式(失礼、カタカナ式)から口の動きとスペルにとらわれた メンタルなマインドコントロールを解き放ってあげてください。

Listeningの章のParrot'sLawのPhase2では普通の速さの会話・スピーチを100回繰り返します。 100回繰り返すときに、この2つの単語がつながる原理を理解しておくことにより、自然につなげて 発音できるようになります。つながった音を聞いて2つの単語に分解できるようになります。

原理がわかったら、声を出して練習しましょう。練習すれば誰でも身に着きます。
練習しなければ何の進歩もありません。あなたの発音の2つの単語がつながってくるようになるためにも、 体育会系のひたすらな練習が必要です。数百回あるいは数千回口の筋肉を動かして、口が自然に動くように します。体育会系です。

英語の音声認識の音声データも実はひとつひとつの単語の発音と、文章の中で2つの単語がつながる 様子の処理は全く同じです。なんの区別もしていませんが音声認識できています。認識用の辞書は、 j u d i d i t @ g e nです。
日本では過去にカタカナ式発音のエンジニアが2つの単語がつながる様子を想像して、ソフトウェアに 処理をさせていたことがあると考えられます。彼とか、上司の発音をPCが認識しますが、肝心のNativeの 発音を認識しなかったと思われます。

 

以上で子音ひとつひとつの発音についての練習はおしまいです。次の章から母音の発音の練習をします。 英語は子音中心の言語なので良く練習してください。

特にSの音は、よーく練習してください。無声子音が2つ、3つつながるときの全体をきれいに響かせる ためには、Sをきれいに発音してください。

最後に、2つの単語が自然につながるためのポイントの復習です。
パターンは以下の2つです。母音で終わる単語はありません。

1 語尾子音+母音で始まる単語。
例: Take it easy.

このページで練習しました。
2 語尾子音+子音で始まる単語。
例: next station
2重子音、3重子音と同じように2つの単語を続けます。 xt st[kstst]は5重子音になります。

 

実に5重子音(しかも無声子音が)
next stationでは[k s t s t]と子音が連続して5つでてきます。文章の中では、単語の前後を合わせると、 3重子音、4重子音が頻繁に出てきます。

子音を子音だけで独立して発音する訓練がいかに大切であるかの
駄目押しのための例です。