日米の発音の決定的な違い |
日本人の一番苦手な発音はSの音です。
「日本人の苦手な音TOP3」(2ページ先参照)。
日本語の「さしすせそ」と英語のSA SI SU SE SO は発音のしかたがずいぶんと異なります。
日本語の「さ」のイメージ
S | A---- |
英語のSAのイメージ
S---- | A |
日本語は母音中心の発音、英語は(無声)子音中心の発音です。
日本語の「さ」
日本語の「さしすせそ」は声帯がふるえたまま発音されます。母音の声帯の震えをなるべくとめないように して発音します。日本語の特徴は、さのSAはSとAがブレンドされて混じっているために別々の2つの音という 認識がありません。SAをできるだけ混ぜて「さ」というひとつの音を実現しようとしています。お経を読む ように声帯の振動を止めずに「さしすせそ」を発音する事が、日本人には可能です。
英語の発音はSが時間的に十分前に発音されてからAがつきます。日本語の「さ」の発音とは意識がかなり異なります。
英語のSA
英語のSAはわざわざSとAという2つのアルファベットを使って表記します。これには実に深い大きな意味があります。Sの音だけをしっかり発音してから、Aの音を(ちょっとだけ)付け加えるのが正しい 発音方法です。
英米人にはあたりまえのことですが、日本の英語教育ではあまり紹介されないために、次のページで 紹介する「カタカナ式発音」を皆がしている状況からなかなか抜け出せないのです。
英語のSA SI SU SE SOの発音は、S S S S Sの発音が
主です。そこにA I U E Oをちょっとずつ付け加えます。
S--S--S--S--S--をもとに
S--A S--I S--U S--E S--O
と発音します。
上記の日本語の「さ」のイメージと英語のSAのイメージはこの両者の違いを図で表そうとしたものです。
(無声)子音中心の発音とは
声帯を震わせて発音する音を有声音と言います。声帯を震わせないで発音する音が無声音です。
日本語の会話には、無声音は出てきません。
のどの声帯を指で軽く押さえながら「さしすせそ」と発音してください。声帯がふるえる感じがわかると 思います。声帯がずっと連続でふるえているか、途切れてもほんのちょっとずつですよね。
英語のSA SI SU SE SOの発音では、声帯が震えていない時間が
ほとんどを占めています。声帯を震わせないでSを確実に、きれいに長く発音してからAを、ちょこっと発音します。
S | A | S | I | S | U | S | E | S | O |
声帯が震えているのは母音のオレンジ色のところだけです。日本語の発音がアナログ的であり、英語の発音はデジタル的です。
子音の間に、母音が短く入り発音されます。
Sのうしろの母音にアクセントがある場合母音は強く発音されます。その前にSがあると、このSはさらに強く発音されます。したがって、アクセントの有り無し両方とも、上のSが長く母音が短い発音になっています。
SIT
シット
の二つの発音は同じでしょうか。
違う?
ではどう違うのですか?
シットを英語のスペルで書くと、SHIT(大便、くそ)になります。
それでは、SITは正しくはどのように発音すれば良いのでしょう。
あとで出てくる「S さ」のページを楽しみに読んでください。
私は個人的には、皆さんにSの発音をNative Speakerよりもきれいに発音できるところまで、発音の研鑽をしていただきたいと思います。留学や仕事で海外に行かれる方は大きなチャンスです。ぜひSをきれいに発音できるNative Speakerを見つけ出して徹底的に真似して、越えて帰ってきてください。TVやVIDEOでも練習できますが、息の強さや息の使い方は、生演奏(生の発音)に触れることがもっとも効果的です。