カタカナ式発音と英語の発音の違い |
カタカナ式発音とは何でしょうか。
カタカナ式が何であるかきちんと定義できれば、その対策として「カタカナ式発音」から脱却できるかもしれませんね。
「カタカナ式発音」は以下の3つの要素で定義できます。
1 S、T、Kなどの(無声)子音だけを独立して発音できない。
2 母音が「あいうえお」の5つで代用されている。
3 R, L, THなどの日本語にない子音が発音できない。
(ほんとうは子音全部が日本語に無い)
私が「カタカナ式発音」という言葉を使うときはおもに上記の 1 「無声子音が独立して発音でき」 ないことを言います。2と3も問題ですが、1が最も重要です。
この「教則本」のねらいは、上記の3つに対策して英語(この場合米語)の発音ができるように なることです。これが「カタカナ式発音」からの脱却です。
日本語は母音中心の発音、英語は子音中心の発音です。母音中心の発音から、子音中心の発音ができるようになることがこの「教則本」の大きなねらいです。そのために、日本語「カタカナ}と英語の発音を交互に行うことなどを取り入れてあります。また、2重子音、3重子音の練習を多く取り入れてあります。
「子音が独立して発音できない。」ってどういうことなの?
AskとかBoxなどかなりな数の単語に2重(無声)子音が含まれます。この子音の発音がくせものです。 カタカナ式発音では、SとかKに母音がくっついてSu、Kuになっています。AskがAsukuになっています。
英米人にとってこの『カタカナ式」で発音されると、聞き取りが2重に苦しくなります。
1 日本人の子音の発音はきわめて弱いために、SとかKが聞こえない。
2 おまけに本来有るはずの無い母音Uがくっついている。
このために、日本人が発音したAskが A suKewとかまったく意味の無い音にしか聞こえません。
Listeningの章で子音・母音の発音の次のステップとしてProsodyの練習をします。 Parrot'sLawの Step2はこのProsodyの練習を行います。Prosodyの学習に入るためには「カタカナ式発音」から脱却している 必要があります。
「カタカナ式発音」からの脱却を学習しやすくすることをかなり意識してねらって、この『教則本』を 書いています。発音以外の読む、書くの学習に入る前に、完全に「カタカナ式発音」から脱却しておきましょう。
カタカナ式がまだピンとこないんだけど。
それでは、英米人に日本語を発音してもらって違いを見てみましょう。英語では、子音を独立した 音として発音します。CATはキャットではなくて、CとAとTが別々の独立した音として発音されます。
TOKYOを英米人が発音すると、「トゥオゥ・ク・ヨォウ」のように発音しまね。アルファベットを ひとつひとつ発音するのが英語の発音です。当たり前のことですが見逃されています。
カタカナ式では、子音+母音を一つの音にしてしまいます。TOKYOは5つの独立した音ではなく、 TO(トー)とKYO(キョゥ)の2つの音にしてしまいます。
英米人に日本語の発音を教えるときには、子音+母音でくくって、ひとつの音としてブレンド されることを練習してもらう必要があります。英米人がローマ字をみるとどうしても、 ひとつひとつの音を全部独立して発音する習性からなかなか抜けることが出来ません。 子音+母音をひとつの音にブレンドできるようになると、おやっと思うほど日本語的になります。
面白いことに英米人は日本語の「つ」が言えません。
TWOかTO(前置詞の)になってしまいます。
えー、ツーとTWOと違うの。
ちがいます。子音の「た T」のところで練習します。
日本人はtsの発音が苦手です。
It's OK. That's right.
にはtsの音が出てきます。
これは日本語の「つ」とは違うのですよ。
日本語の「つ」はtsuの音です。
やり方はこの『教則本』のどこかに書いてあります。
英米人は本当にスペルの通りに全部発音しているのですか?
という質問が良く来ます。学生を教えた結果でも出すべき音が発音されていないために、一生懸命聞いても、 言っている単語がわかりません。英会話が通じない理由に、出すべき音を発音していないことがあげられます。
SとFで例をあげます。
SもFも全て手抜きをしないで発音します。Sが出てきたら、じゅうぶん息を使って、じゅうぶんに摩擦音を 出します。前歯のところで出す摩擦音です。特にSが語尾にある場合、日本人の発音は摩擦音が出ていないので 聞き取れません。語尾にあるSはすべて集中して手抜きをせずに発音してくださいね。
Fが出てきたら、下唇を上の歯につけたすきまから息をじゅうぶん出して摩擦音を作ってください。 すべてのFについて発音します。
すべてのSとFをこのように発音できるようになるためには、体育会系の筋肉運動の練習が必要です。 毎日少しずつ練習して、数ヶ月続ける必要があります。ジョギングの初心者が、数ヶ月かけて、体脂肪を 燃やして筋肉をつけ、10km連続して走れるようになるために、数ヶ月を要する事に似ています。