さ S

Sの発音は意外ですがほとんどの日本人ができていません。 とくにsiの発音は日本語に無いので、できないようです。

練習 5 さ S
sense
soon
さしすせそ
sa si su se so

そんなばかな。Sなんてできているよ。

ほとんどの人がそう思い込んでいます。そのために自分の発音を修正することができないでいます。 Native Speakerにとって日本人のSとSHの発音は区別がつきにくいので、大きな迷惑を受けています。 発音している本人は気が付いていないので問題はなお大きいのです。もっとはっきりとSとShの発音を区別しましょう。

さしすせその「し」はshの発音です。英語のsiは、無声子音Sの音を出してから、iを発音します。 日本人はSITをSHIT(「うんち」とか「ちくしょう」の意味)と発音しています。英米人ははじめは びっくりしますが、日本人がSとSHの区別ができていないことにそのうちに気づきます。

Sはどう発音するの?

senseと言ってみてください。
sensu

Sは無声音です。語尾のseは無声音です。Sだけの発音です。のどをおさえてsenseと言ってください。 語尾のSで声帯がふるえていまね。それはsensuの発音です。

無声でSを発音するの方法ですが、爪楊枝の「スースー」です。楊枝で歯を掃除したあとに、 息で歯を「スースー」とやる人がいますね。(ちょっとイメージが悪いと感じる人がいるかもしれませんが。)

SとZは「摩擦音」です。調音点は上の前歯です。
な、なにー?

Sは、口を閉じて、ほとんど合わせた状態の歯(歯はつけない)の間からするどく息を吹き出す ときに、息が歯と摩擦して出る音です。(だから摩擦音といいます。)senseの語尾のseをこの 音で発音してみてください。

できたと思ったら、語頭のseを発音してください。Sの音をするどく発音してからeを添えるのが 英語式の発音です。

「さしすせそ」とsa si su se so の発音の違いがわかりましたか。英語の場合はSを十分に発音したあとに母音を添えます。

soonを発音してください。これは、Sを発音してからu:を発音する良い練習です。Sの発音では、 舌はしっかりと前方に位置させます。uは舌を口の奥、上方に持ってきます。Sからuに舌を大きく 移動させるのが英語の舌の動きです。日本語では、suとSとUがブレンドされているので、前から 奥への舌の動きがあまり意識されていません。「す」はひとつの音で、舌が前から奥に移動する 2つの音である。という発想がないからです。

sa si su se so の練習は、Sを独立して無声で発音してから、舌をそれぞれの母音に移動させて発音します。

(おまけ。soonのu:の発音は、日本語の「う」よりも口を緊張させた引き締まった音です。 日本語の「う」よりも口をすぼめて、舌の奥を高く持ち上げて、口の天井に近づけます。)

sa si su se so の練習で、Sと母音を分離して発音できるようになると、2重子音の発音も楽にできるように なります。英語にはSを含んだ2重子音がものすごくたくさんでてきます。(2重子音のところを参照)

このSを完全な無声で発音できるようになると、あなたの発音はいっきに「ネイティブ」 らしいものになります。

Native SpeakerのSの発音はものすごい息を使っています。そのままマイクで録音すると かなり吹き込んだ録音になるために、Sの発音に関しては、息の様子がはっきりと聞き取れる CDは少ないと思われます。SHANIA TWAINのSはものすごく強く発音しているので、はっきりと入っています。 マイクのセッティング、録音技師にもよるのですが、Sの発音の参考にぜひ一度 聞いてください。彼女の次のCDをとても楽しみにしています。

学生に発音の指導をしていますが、はじめはみんながSの発音を出来ません。 Parrot'sLawのPhase2で3分だけのせりふを練習してもらいますが、ここでもSの発音が不完全です。

注意点は2つ、

1 SをShと混同しないこと。

 Sのスペルがあったら必ず発音する。

スペルにSが出てきたら、かならず発音しなければなりません。しかも強い摩擦音を発生させる必要があるのです。