TH

 

 

 

THも無声と有声のペアです。
無声はthinのthの部分、有声はtheとかthatのthの部分です。
THは摩擦音とされていますが、摩擦・破裂音という新説でご紹介します。

Sのところで日本人の発音は、sickの発音がshick「シ」になってしまうことをご紹介しました。
同様にthickの発音もshickになってしまいます。

練習 31
thick sick shick
thin sin shin
think sink shink

練習31の3つの発音をきれいに区別してできるようになると、いっぺんにNative Speakerの 発音に近づきます。

Thの発音は、ヴィクトリー・アンカーの説明では「舌の先を上の歯先に軽く当てその隙間から息を摩擦して 出す。」とあります。

これで良いのですが、もっと説明が必要です。
舌の先は、歯の先に当てるか、歯の内側に当てても良いのです。

昔は舌を歯でかむと言う説明もありましたが、かんでしまっては発音は困難です。

1 舌の先が歯に触っている所に息を強く通して、「スー」というような摩擦音を出します。息の通り道が ふさがれているため、舌の上の風圧が高くなります。風圧が高いまま息を摩擦させます。
thickの場合このまま次の母音のiを発音すると、thの音が完成しません。

2 舌を歯に当てて、息を舌の上側を通すために息の風圧を上げて行くと(瞬間的にバーと風圧を上げるの ですが。)ある風圧以上になると舌と歯の
  すきまを広げるようにして、息が通り始めます。息が通り始めると摩擦音が鳴り始めます。

3 摩擦音の発生とともに、舌を歯から離します。離す瞬間に息を一押しして破裂音にします。

4 この破裂音の直後に母音のiを続けます。

 

以下はThickの場合です。
Thの音は、舌の先を上の歯にちょっと触れたまま、歯と舌の間に息をスー(シー)と1秒くらい 通して音を出す練習をしてください(無声子音)。

音が出るようになったら、今度はこのスーの音を強く0.2秒ぐらい出し、続いて次のi(い)を 発音すると同時に舌を歯から3mm位勢いよく離して下さい。

Thの音は、歯と舌が付いている間を通る空気の摩擦音と、次の母音または子音を発音する時に 舌が歯から離れる時に出る破裂音の両方の音を出す必要があります。Thiが出来たらckの音をつけてThickの できあがりです。

 

Thは摩擦音・破裂音そして母音の発音を瞬間的に行います。
舌を歯から離す瞬間の破裂音を注意深く発音してください。
マスターできるまで、米人の歌、スピーチなどを聞きまくって確認してください。

練習 32
first thirst
fix thick
than van
thery vary
there fair

THとF、Vは発音方法がよく似ています。
THとF、Vは日本人が苦手とする発音です。
練習32はTHとF、Vを同じ方法で発音するための練習です。

同じわけないでしょ!

ほとんど同じです。
違うところは、舌の先を使うのがTH、下唇を使うのがF、Vです。
どちらもほとんどふさがれている隙間から、むりやり息を通す
ところが同じです。
TH、F、Vとも摩擦音です。かなり強引に息を摩擦させる音です。

うんちくです。
英語のthの発音方法は、世界中の言語を探してもきわめて
まれな発音方法です。
スペイン本国のスペイン語は大変です。S系(スペルはC)の音をTHで発音します。
Cはたくさん出てくるので、いちいち舌を歯に当てて強く息を出すのは大変だろうと思いますが、 きちんとやっています。

これに対して、南米のスペイン語ではS系(C)の音はSで発音します。
南米スペイン語とヨーロッパのスペイン語を区別する大きな特徴です。
機会があったらチェックしてみてください。