第4章 Birdの ɘ:r=ɚ: ɚ

 

 

 

(このページの発音記号はLucida Sans Unicodeを使っています。Windows 2000以降には付いています。)

 

 

発音記号が見えない人のためにMS-Word文章をここに置きました。

 

 

4章はRとLの章なのにどうしてBirdの [ɘ:r]が出てくるの?

Rとɘ:rの発音はほとんど同じ方法で行います。そのために一緒に4章で学習します。4章ではɘ:rができるようになってから、その発音とほとんど同じ方法で発音できるRの発音を練習します。

あいまい母音のɘは不明瞭な母音ですが、ここで学ぶ ɘ:rは英語に特徴的なはっきりした音です。この音が出来るとあなたの発音は一気に英語らしくなります。すなわち 極めて重要な発音ですぞ。

発音記号の変更。和英辞典のほとんどがbird[bɘ:rd]となっていますが、紛らわしいので研究社が採用しているɘ:r=ɚ:を使ってbird[bɚ:d]と言う表記にします。

 

スペルとの関係

スペルの[-ir] [-er] [-ur]がこのɚ:音になります。例外的にorもwor-の時はこの発音に なります。word、work、worldなど。

[-ar]と[-or]は全く別の発音です。aとoの箇所であごをうんと下げます。そして、rを発音します、rのイタリック体に重要な意味があります。上記の[-ir] [-er] [-ur]のグループとは一緒にしないでください。

ɚ:はカタカナで書くと「アー」という母音です。


英語にはɚ:に相当するアルファベットが無いためにer、ir、ur、と書いてɚ:と発音することにしています。

Bird

Birdの発音記号を辞書で引いてください。英和辞典では[b d]と出ているはずですが、rはたいてい斜め文字(イタリック体)で書いてあります。これは イギリスではrを発音しないからだそうです。アメリカ英語の場合がやっかいです。音声学的にはə:rは 別の発音記号ɚ:で表現されます。この記号は鉤(かぎ)つきSchwaというのだそうです。ə(schwa)の右側にカギがついていますね。

 

ə:r=ɚ:の発音方法

1 口は形を閉じかげんにします。上下の唇はつけずに少し開いています。歯と唇はくっつくすれすれで開いておきます。舌の 位置は上。「い」「う」の中間位置です。「い」は舌が前方、「う」は舌が後方に来ます。 ɚ:は舌の位置が「い」「う」の中間です。舌の形は前後が「へ」の字の感じで、舌の下側を巻き込むと同時に舌の上の出っ張らした部分を口の天井に思いっきり近づけます。

2 声帯と息の使い方は、犬の鳴き声を真似るときの「ウーワン」のうなった「ウー」 の音です。「ウー」よりも「アー」に近いうなり声です。「うなる」のこころは、のどの共鳴にあります。うがいをするときの、のどを「ガー」を共鳴させるのです。おもいきり喉を共鳴させて「ガアー」とやりますが、出てくる音は、のどが共鳴した「アー」の音です。 「ゥアー」という表現かもしれません。

これで完成です。ネイティブの発音を良く聞いて真似てください。

b r d
b ɚ d
b ɚ   d

上は発音記号ですが、一番上が日本の英和辞典の表記法です。r があって紛らわしいのですが、この場合のrは子音のRではなく、母音のɚ「鉤つきshcwa」の発音に化けます。 従って上から二番目の発音記号標記になりますが、ə:ɚは区別がつかないので、2つが一緒になって 三番目の様にɚ:の発音記号になります。

ここでKの復習です。そうそう、Kでは舌はどこにありますか。口の天井に触れますよね。rの舌の動きはKと似ています。Rの発音ができるためには、無声のKが楽に出来ている 必要があります。rでは舌の中央またはやや奥を口の天井につく手前の位置に持っていきます。舌の筋肉トレイニングが必要ですね。この舌の位置で舌の奥を中心に喉を共鳴させて:「ゥアー」を発音すれば良いのです。

以上はきわめて重要です。英語発音のかなめです。

それではもういちど Bird の発音を練習してみましょう。

練習 57 左が ɚə:rです
bird[bɚ:d]     bard[bɑ:ɚd]
birdie   body
clerk   Clark
fur    far[fɑ:
ɚ]
learn  large
word  ward

次にRの発音を練習します。 そのあとで、練習57をもう一度復習してください。

 

次のページでRの練習をした2回目以降の方へ;
質問をいただきました。
Birdのirは一つの音では?

はい、イギリス英語では一つの音です。ɚ:「鉤つきschwaとひとつの音として標記するのが音声学的 です。

米語もə:ɚと2つの音と理解すると、-ar, -orが2つの音なので同列に考えることも可能だと思います。そうするとスペル上のrを同じ母音の感覚で意識できます。音はひとつです。

もう一つ質問をいただきました。
あいまい母音のə(例ago)とbirdの中にあるə:の発音は、辞書では同じ発音のように書いてありますが、どうなんですか?

あいまい母音のə とbirdの中にあるə:の発音は、違う音です。 の感覚では全く違う発音です。舌も、ノドの響かせ方も、息の使い方も違います。英和辞典ではbird[bə:rd]と発音記号がなっているので紛らわしいのですが。母音のところと、Birdのところと、Rの発音のところを比べてください。