母音+R

 

 

 

schwaのフォントには「MS Reference Sans Serif」を使っていますが、皆さんは見えますか?Windows XP(Office2003)の人は見えますね。それ以外の人は見えないかもしれません。現在4章は 誰でも見ることができるフォントを試行錯誤しているところです。(どなたかアドバイスをいただければ幸いです。)

母音+Rは何か特別な意味があるのですか?

母音+Rの発音の習得は、日本人にとって困難な発音です。原因は2つ あります。ひとつは英和辞典の発音表記です。ə:rの発音になる場合、あいまい母音のəが入ってくることが混乱を生じています。 日本人は単語ごとに発音を覚えようとしているためになかなか習得できません。下のように整理すると覚えやすくなります。 これは「リスニング」の章の「スペルと発音の91の ルール」の最後の方のルール、75番目から91番目に整理されています。この 91のルールはGakkenの英和辞書「ニュー・ヴィクトリー・アンカー」の最後ほうの資料にあります。

91あるルールのうちの17ルールが「母音+R」に関するものです。いかに重要であるかは、 この数字があらわしています。

  スペル 英和 schwa
標記
単語例  
75
76
77
78
79
ar
er
ir
or
ur
ɑ:r
ə:r
ə:r
ɔ:r
ə:r
ɑɚ
ɚ:
ɚ:
ɔɚ
ɚ:
car, park
term, certain
bird, shirt
fork, sport
turn, surf
rが語尾
r+子音の場合
er, ir, urと一部のor (wor-) がɚ:の発音になる。
80
81
82
83
84
are
ere
ire
ore
ure
r
r
aiər
ɔ:r
juər
e ɚ
i
ɚ
ai
ɚ
ɔɚ

ju
ɚ
care, share
here, sincerely
fire, tired
store, more
pure, cure
母音+reの
-reは母音ɚになる。
85
86
87
88
89
90
91
air
ear
ear
eer
oar
our
our
r
r
ə:r
r
ɔ:r
auər
ɔ:r
e ɚ
i
ɚ
ɚ:
i
ɚ
ɔɚ
auɚ
ɔɚ
hair, chair, pair
hear, near
early, learn
cheer, engineer
board, oar
hour, flour, sour
four, pour
母音字+母音字+r 

ルール75からルール79は、2つ前のBirdの発音で練習した :の発音が 多数を占めています。この発音はこのように重要なのでたくさん練習してください。 この発音はあごを閉じて発音します。

-ar, -or

-ar と-or の発音はあごをガバッと下げて口をあけて母音aまたはoを発音してからあごを 閉じたrを発音します。aとoは日本語の「ア」「オ」よりもあごを大きく下げます。 はげしく顎を動かしてください。

r がイタリックになっているのに気づきましたか?

この場合のは子音のRではなく母音のrになります。このは「鉤つきshcwa」と言います。 birdの と同じ音ですが長音ではなく短音です。

careはカタカナで「ケア」と書きますが、-reがアに相当します。
carはどうでしょうか?「カー」ですって。それだと英語の説明ができないのです。便宜上「カア」と 書きましょう。rが「ア」の音です。カタカナで正確に書こうとすると「Kあア」になります。あ系の音が 2つあるのです。carの発音記号は「kɑ:r」 ですが発音記号のFontが出ないひとのために便宜上[ka:r]と書きます。a:は口を大きく開いたアの 音です。続いてr がありますね。これはbirdのirの発音を短音化した音です。

ふー、文章で書くと大変ですが「Kあア」が納得できましたか?

アメリカ英語ではcarが「Kあア」のようにrも響いた母音で発音します。これに対してイギリス英語は この場合のrを発音しないのが大きな特徴です。アメリカ英語では、このrも発音します。皆さんにはまず アメリカ式のrを発音する方法をお勧めします。Rの発音の習得の近道だからです。

c a
c a r

(歴史的には200年前は、イギリス英語もアメリカ英語もcarは「Kあア」と同じ発音をしていました。 実はイギリス人がrの発音をやめて「カー」にしてしまったのです。この変化は-ar, -orを持つ単語すべての発音に適用されました。-ar, -orの発音記号は日本の英和辞典ではrが イタリック体です。イタリック体のこころはイギリスでは発音しない、アメリカでは「ア」系の母音だと言うことです。)

子音のRの発音と、母音+rのrの発音はまったく違うのですが、日本の英和辞典ではイタリック体にして 子音のRと区別しています。音声学的にはこのイタリック体のrを鉤つきschwa 「ɚ」の記号で表しています。

口の動きを図解しました。クリックしてご覧ください。上の表と、 この口の動きの絵と練習59でスペルと発音の関係を頭と口に叩き込んでください。

これに対して =ɚ:ɚ:の発音は顎は 閉じたままで動きません。もう一度Birdのところで確認してください。

練習 59 左が =ɚ:の発音。 右はそれ以外の発音。
bird bard  board
burn  barn born
clerk Clark
cur  car
curd card
curse course  coarse
curve carve
dirk  dark
dirt  dart
fir/fur   four  far
firm farm  form
lurk lark
nurse  north
per par  pour
perk  park  pork
shirt  short
Sir  sore
stir star  store

練習59は母音+Rが出てきたときに、スペルを見て発音が出来るように なる練習です。反射的にスペルと発音が結びつくまで数百回以上声を出して練習してください。