お便り 99/9/15〜
おたより第一号はすごい人から
きました。以下は、英検1級、TOEIC970の白倉さんです。読後感もたくさんいただきました。
参考にさせていただきます。ノンフィクションはぜひこの中からいくつか読みたいと思います。
99/9/15− − − − − − − − − −
Udaさんの「30音」ホームページで松澤さんのページを知りました。
松澤さんの記事をとても楽しく読みました。共感を覚えるところがたくさんあります。とても内容が充実していて、いろいろな方が楽しく読めるページに発展していくように感じました。
今年(1999)の4月に「30音」の図書を購入し、どうしても著者のUdaさんに会いたくなって5月におしかけてきました。(Udaさんのページにレッスン体験談が掲載されています。)
Udaさんのいくつかの主張のうち、いちばん私にとって影響があったのが「自分で発音できないと、聞いてもわからない」というものでした。
長年誤って発音していたいくつかの音をわずか10分程度練習しただけで、その日から聞くのがずっと楽になりました。
私は以前から発音の大切さに「なんとなく」気づいていました。好きなラジオアナウンサーの発音をテープでまねた後に本を読むと、頭の中でその声が響くようでとても理解が楽でした。やさしいところは音を鳴らす間もなく読み進んでしまうのですが、文が複雑(考えがたくさん詰まっている)で難しいところではとても助かりました。
松澤さんのページを読んで思い当たったことは、私が英語を読むときにはなかなか速度が上がらないということです。
私は日本語でも英語でも読むのは好きなのですが、日本語を読むほうが英語を読むよりも「かなり楽」という事実が変わっていないのでちょっとショックでした。1990年以降原著が日本語の本以外はすべて英語で読むようにしているのですが、分量が足りないのかもしれません。
週刊誌「TIME」を10年ほど購読しています。英語の学習のためというよりは内容に興味があります。関心の薄い記事は読まないので、平均すると毎号の2/3くらいに目を通しています。数年前から次号が届くのを心待ちにできるようになりました。
小説よりは記録物が好きなので読書の内容は少し偏っているかもしれません。電車で読むと目が疲れるので、月に1冊というのも難しい状況です。
「辞書は新しいものを」という松澤さんのご意見に大賛成です。私は学習用に
LDOCE を初版・2版・3版と使ってきました。調べ物のためにはPC上で
Microsoft Bookshelf 98 の英語版をハードディスクに転写して使っています。特に地図・年表・引用が即座に調べられるのが便利です。
松澤さんが
#1 NEW YORK TIMES BESTSELLER を参考にすると良いと書いていらっしゃいますが、私も似たことを
しています。歴代の
"Pulitzer Prize
(General Nonfiction)" から興味のある分野のものを拾っています。そのほかにはTIME誌の書評も役立っています。
ご参考までに近年の私のおすすめを記しておきます。書評についてはAmazon.com
等を参考にしていただければと思います。
*
は特に感銘を受けたものです。
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nonfiction ===========================
Edward
O. Wilson (American evolutionary biologist)
学校の生物の時間でちょっとだけ習った生物の進化。1.
には米国で論争の中心となった著者の考えがわかりやすく述べられています。迫力を感じさせるほどの説得力です。2.
は生命の多様さについて本質から解説しています。わかっているようでわからない「進化」についてのすばらしい解説書です。自然環境保護について深く考える材料になります。
3.
は
このような研究をするWilson本人についての物語で、豊かな内容を気楽に読めます。
1.
On Human Nature (1979 Pulitzer Prize)
2.
The Diversity of Life
3.
Naturalist
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Richard
Rhodes (American journalist)
物を書くときの調査・研究というものはここまで入念でなければならないのかと感じさせる本です。1. では人間がなぜ原子爆弾を作り出したかが歴史の事実によって明らかにされます。2.
では第二次大戦後の冷戦についての多くが明るみに引き出されています
1.
The Making of the Atomic Bomb (1988 Pulitzer Prize)
2.
Dark Sun (未読了)
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Oliver
Sacks (British born American neurologist)
「TIME」に小特集が組まれたほど人気の臨床神経学者。どの著作を読んでも著者の謙虚さ・人間に対する畏敬の念・暖かい視線を感じます。
特に
2. は耳の聞こえない人の世界を新しい視点で紹介した本で、私はこの話題についての自分の想像力がいかに貧しいかを思い知りました。ヨーロッパ・米国での聾唖者教育についての論争がつい最近のことだというのは知りませんでした。1.
および 3. は読み出すとやめられません。著者が臨床例で体験した世にも不思議な現実の物語です。
4.
は初期の作品で少し読みづらいのですが、苦悩する著者の姿がいちばん伝わってくるように思います。
1.
The Man mistook his Wife for a Hat
2.
Seeing Voices *
3.
An Anthropologist on Mars *
4.
Awakenings
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Sherwin
B. Nuland
著名な外科医です。臨床例を使って人間の身体機能の驚異的な合理性を説明した 2. はすばらしい読み物でした。1.
は全米でベストセラーになった名著です。
1.
How We Die (未読了)
2.
The Wisdom of the Body *
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Maynard
Solomon
星の数ほどもありそうな名作曲家の解説書ですが、Solomon
の著書を読んだ後では多くは「のりとはさみとを使ったお手軽本」に感じると思います。特に
2. は渾身の力作といえるもので、まずこれを読むことがMozart
の姿を知る第一歩ではないかと思います(音楽を聴く他には)。
1.
Beethoven
2.
Mozart *
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Philip
J. Hilts
Smokescreen
米国たばこ産業がいかに世論を操っていたかについての記録です。スパイ小説よりも迫力があります。下手をすると訴訟ざたになる内容なので調査は入念です。鋭い筆致はさすが。
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fiction ==============================
The
Remains of the Day by Kazuo Ishiguro
何から何まですばらしい小説です。英国 Booker Prize
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The
English Patient by Michael Ondaatje
開いたページから香りが立ち上るような作品です。
英国
Booker Prize
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The
New York Trilogy by Paul Auster
これほど独創的な作品は読んだことがありませんでした。
著者の発想はとても自由で、ありえない話をありそうに書く手腕には驚くばかりです。
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The
Green Mile by Stephen King
King
の作品でもこれは別格との勧めを受けて読んでみました。納得。
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Airframe
by Mihcael Crichton
産業界の裏話と主人公たちの動きとが実にうまく組み合わさった作品です。
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Dead
Man Walking by Sister Helen Prejean
映画を見てから読みましたが、揺れる心の内と信念とが誠実な筆致で記録されています。
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The
World According to Garp by John Irving
もはやクラシックですね。何度読んでもいい。
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海外からです
99/9/20− − − − − − − − − −
突然のメールお許しください。
山内と申します。現在オーストラリアに滞在(大学のvisiting
fellow)しています。来月1ヶ月間ほど日本へ一時帰国します。
Udaさんのお便り紹介から「英語・発音・語い」のHPにたどり着きました。
まだ未完成とのことですが、大変充実したHPだと思います。
自分にとっては「山田さん」「阿知和さん」「鵜田さん」のHPに並ぶ、
英語学習HPのベスト4です。
特に「2万語の語い」取得のすすめは、大変感銘しました。
これは以前、UDAさんのHPに寄せていた文章を拝見し、
直ぐ本屋に飛んで、学研ヴィクトリーアンカーを買いました。
もちろんこちら(オーストラリア)にも持ってきています。
最近では残念ながら辞書の通読の方は、さぼり気味だったのですが、HPを拝見して再びやる気が出てきました。
もう一つ感動したのは「speakingの123
超基本動詞と700例文」です。オーストラリアに3ヶ月以上滞在してはいるものの、日常会話は相手の言うことはだんだんと聞き
取れるようになってきましたが、自分から文章を作り、話すのは依然として苦手です。
自分でも文法的・慣用的言い回し的にブロークン(何とか意味は通じます)な英語をしゃべっている
ことが自覚されて、いやでいやでたまりませんでした。
そのためにもっとしゃべりたいのに、口が重いことが多いです。
そんな中、HPで123動詞を覚えて自在に使えるように訓練すればいいんだ!
ということがわかり、初めて自分がやるべき全体像がはっきりと見え、漠然とした
speakingの不安から解放されました。
本当にありがとうございます。早速EXCELに取り込ませていただきました。
1日18単語づつ、1週間で一回りするペースで何度も繰り返し学習したいと
思います。
自分は10年以上も前ですが、大学受験を経験しているので、
(おそらく)5千語の語いはあるかとおもいます。
2万語に向けて、現在作成中の500語の語源辞書の早期完成を期待しています。
2点、質問をさせてください。
1.123超基本動詞ですが、自分で数えたところ126個ありました。これは、括弧でくくられている単語(3つ)を数えたためかと思います。
face,
fly, smileです。
このうち、smileについては削除と書かれていますが、残る2つは例文も付いています。これはどういう意味なのでしょうか。
2.重箱の隅をつつくようで大変恐縮なのですが、
超基本単語に対する例文がまだ無いものがあります。
これは、折々埋めて行かれるかと思います。しかし、疑問なのはget,
walk, worryの最後の欄で、例文がありません。これはちょっと疑問に感じました。
また、エクセルで表示したとき、run
overの単語と例文の行が1行ずれました。
これからもたびたび拝見させていただきます。
HP作成応援しています。がんばってください。
山内さん、
メイルをありがとう。オーストラリアとはうらやましいですね。
私はリタイアしたらイギリスに住みたいのですが。
123語はざっと数えたので山内さんが数えたものが正しいです。この表は1年くらい前に作ったものですが、完成度は90%程度です。今は、HPの本文作成に集中しています。あしからず。
ヴィクトリー・アンカーをお持ちでしたら、もっと良い方法があります。ヴィクトリーアンカーの126語の所を直接読んだほうがずっと分かりやすいですよ。
とっておきの方法は、ヴィクトリーアンカーの126語の活用を自分でキーボードでタイプ打ちして、
使いやすくコピーして持ち歩くことです。例分もここから取ってください。もっとも、タイプ打ちして、
自分が使いやすく編集してプリントしている間に覚えてしまいますが。
get, walk, worryのところもヴィクトリーアンカーに分かりやすく、でています。
本をたくさん読んでください。
99/9/21− − − − − − − − − −
早速のお返事ありがとうございました。
また、ビクトリー・アンカーを使った基本動詞のアドバイスありがとうございました。言われてみれば…
なのですが、気づきませんでした。
早速ワープロに整理(打ち込み)を開始しました。
ちょっと時間が掛かるのが難点です(さすがに1日18動詞というペースは無理です)が、おっしゃる
ように整理しながら、自然に覚えられるような気がします。
>本をたくさん読んでください。
アドバイスありがとうございます。
仕事柄英文には毎日接する(読み・書き)のですが、専門の論文・本に偏っています。通勤時間があり、
好きな読書ができた日本(東京)がちょっと懐かしいです。とはいっても、1週間で疲れてしまうと
思いますが…。
いろいろとありがとうございました。
HPの御発展、特に語源辞書の早期完成をお祈りします。