99/10/28
From ぷらむ さん
(インターネット上では「ぷらむ」というハンドル名を使っています)
HPを拝見し、お手紙を書かせていただいています。大変面白く役に立つHPだと思います。特に語源による20000語の拾得には大変興味があります。
 
まず自己紹介させて下さい。
ぷらむさんは最近HPを開設されました。自己紹介のところはHPを 参照してください。
http://homepage1.nifty.com/plum/top.html
 
 
さて、前置きが長くなりましたが、松沢さんにいくつか質問があります。お忙しいとは思いますが、よろしければお答え下さい。
 
1.速読について。
松沢さんはどの位の速度で読めるのでしょうか?
私はペーパーバックの場合、150〜170wps、1頁読むのに2〜2.5分かかります。今年はここまで17冊読んでいますが、10000頁は無理そうです。
 
2.Udaさんのページにのっていた辞書1冊丸読み、という勉強法について。ただ覚えなくとも、ただ読んでいくだけでも効果があるとお考えでしょうか?そうであればやってみたいのですが・・・。
 
3.オウムの法則について。
私のレベル(TOEIC L480点、洋画/ドラマ理解度5〜7割)でも、オウムの繰り返し練習は必要でしょうか?それとももう多聴で十分でしょうか?

長文で失礼いたしましたが、今後ともよろしくお願いいたします。
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99/10/29
ぷらむ様、
Udaさんのホームページでときどきお名前は拝見しています。
英語の力を短期間に伸ばされている様子が良く伝わりました。
すごい。うらやましいですね。私よりも若いのですから。英語の学習環境も私の時代に比べてほんとうに、技術の進歩、円高による海外に簡単に行けるようになったこと、などなど、語学の勉強の環境がものすごく良くなっていることを、フルに活用されていると思います。

ぷらむさんのレベルになると、一生英語を使って人生を楽しめる
境地に入ってきていると思われます。
少しペースを落とされても十分いいのではないでしょうか。

私はなぜ英語をやるかと聞かれると、「圧倒的に感動したいから。」と答えると思います。日本語でも感動できて、英語でも感動できたら、人生が2倍以上豊かになるハズですよね。
欲張りかなー。

だから、感動するための語学力は磨く必要があると思います。

1 どのくらいのスピードで読むか。
ぷらむさんとそれほど変わらないと思います。
最近いただいたお便りがきっかけで計ってみましたが、
150〜200WPM位でした。
コンテストかなんかで、はやよみ競争をしたら、ぷらむさんも私も400WPMは出ると思います。すっとばして読めばいいのですから。これでは、専門書を調べる読み方なので、「感動」とは違う読み方です。

じっくりと「感動」して味わいながら読むので150〜200WPM位になります。

本と、内容にもよりますよね。年間17冊も読むと、なかには何冊かハマル本が出てくると思います。
ハマッテじっくり読みたくなる本と、先を知りたくなる本がありますよね。先を知りたくなると、すっ飛ばし読みをするの300WPM位出ているかも知れません。

ハマッテじっくり読む本は、150WPMを下回っていると思います。

昨日 HPにアップロードしましたが、「なぜ発音・語彙2/2」のところに「ほんとうは単語のまとまりを聞いています」のところで単語のブロックの話しを載せました。

すっ飛ばし読みをするときには、ブロックで見て、関係無いところは、意識を止めずに、次に行ってしまいます。日本語もこうしていますよね。
よく、速読のHow To本には、目で見る範囲を広げていっぺんに見ろというのがありますが、一種のすっ飛ばし読みです。
調べモノの時には威力を発揮しますが。 ペーパーバックを読んでいるときには、気の向くまま、ゆっくりと読んだり先をいそいで読んだりしています。自分で、感じる、感動するのに適した読み方を心がけています。

というわけで、私は「感動」を中心に置いて読みつづけるつもりです。

 
2 辞書1冊丸読み。
どの辞書でもというわけではありません。Victory Anchorのような学習型の辞書についてです。

Victory Anchorに書かれていることは、「なるべくならNative同様に「読む、聞く話す、書く」ことができるようになりたい。」と考えている人には当然すべて知っている必要がある基本的な内容です。しかもその記述が解かりやすく無駄がありません。(初心者向けなので)

丸読みの方法はいくつかあると思います。頭から最後までの丸読みはちょっと極端に言っています。実は職場の仲間からもひんしゅくをかいました。

1) 自分の知っている語彙数を確認したい。
  この場合、頭から、ぱっぱ、ぱっぱと知らない単語にマーカーを入れる方法があります。私は、3日をかけて1度やりました。
  見だし語が25500なので3分の1が知らない単語だとすると、およそ17000語の語彙だと言うことが分かります。

2) 話す、書く力をつける。
  HpのSpeakingに書きましたが、基本動詞123の動詞構文700は主にVictory Anchorから抽出してあります。
  基本動詞のところは、復習しても、やりすぎることは無いと思います。たとえば*印のついている重要動詞のところを全部読むという方法もリコメンドできます。
 
3) Writingのところは???になっていますね。
  WritingはSpeakingと同じです。違うのは、発音することでなく
スペリングするところだけです。
上の2)の基本動詞のところをひととおり読んでおくと、書くときにさっと辞書をひけます。
書くときも、基本動詞でほとんどまかなうようにすると
洗練された、プレイン・イングリッシュで書けるようになると思います。
 
ただ丸読みしただけでは上級の方には無駄が多いと思います。
おいしそうなところだけ、活用したら良いのではないでしょうか。
 
3 オウムの法則、
オウムは社会をさわがせているので、Parrots Lawと名前を変えました。映画/ドラマが完全にわかるようになれば必要ありません。それまでは、完全にわかるようになるために、時々実行したほうが良いと思います。
 
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ぷらむさんには以下の私の方法が良いと思いますので、あえてリコメンドさせていただきます。
 
「あーいいなー。」と思ったものを録音して、数回聞くことと、
「これはヒアリングに役立つ。」と思ったものを録音して、数回聞くことです。
 
「感動したもの」はものすごい効率の良い教材になります。
 
たとえば、セント・オブ・ウーマンの最後のほうでアルパシーノが学校でチャックを弁護するところ。とか映画の「あーいいなー。」と思うところを録音してあります。
 
「これはヒアリングに役立つ。」ものとしては、アメリカで買った
「スター・ウオーズ」の9枚組のCDなどです。
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上級者にとって「これはヒアリングに役立つ。」ものは何でしょうか。
 
文法、語彙、話題の背景、聴いて分かるために最も良い方法は、自分で発音できるようにして、たくさん読むことが近道です。
読むことによって、総合的な理解力、が最も高められます。
TOEICのリスニングの最後のほうの問題も、リスニングで多聴するよりは、発音をしっかり身に付けて、速読にみがきをかけたほうが満点をとりやすくなると考えられます。
 
上級者にとって「これはヒアリングに役立つ。」ものは以下の2つです。
●1 ヒアリングは1音1音の解像力をあげて聴くトレイニングが必要です。
これに最も効果があるのが、オウムの法則式の繰り返しのヒアリングです。
「ホームラン」を打つ時は、ボールが止まっているように見えるそうです。
1音1音を聴く解像力があがってくると、「音が止まって聞こえる」ことをイメージしてイメージトレイニングしています。
 
●2 これとは別に、千差万別の発音を聞き分ける能力を身につける必要があります。米語、英語、ワーカー、高学歴者、アジア人の英語、アフリカ人の英語、フランス人の英語、日本人の英語。全て英語です。
この能力は、楽しみながら気長に伸ばしています。映画とか、ドラマとかニュース、インタビューなどです。
 
レンタル・ビデオを毎週見ていますが、字幕があるために、文字を絶対に読んでしまいますよね。
日本語の漢字の表現力があまりにもパワフルなためです。
 
2カ国語で録音した映画は、字幕無しで英語を聞けるので、一度見た映画でも録画して見ています。
 
DVDは、字幕を消して再生できるということなので、来年は買おうと考えています。 
(1999年12月に購入しました。レンタルDVDで最新作を、字幕なしで鑑賞できる様になりました。PlayStation2でもDVDを見ることが出来ます。
 
ちょっと長くなりましたが、ご質問が的確なために、書いていて,私の頭の整理に役立ちました。
 
またのお便りをお待ちしています。
 
 

速読のスピードですが、HP「お気楽ペーパーバックの楽しみ」(私のHPからもリンクをはってます。)
で所有者の高橋さんがどのくらいの速度で読んでいるかについての記述がありました。
WPMという尺度ではなく、Message in a Bottle(370P)を3日位で読んだとありました。非常にやさしい英語で書かれていますよね。私も最近読みました。電車の中と週末で、やはり3日で読みました。
 
これは、とても面白かったのですが徹夜をさせてくれるほどのPage Turnerではありませんでした。(残念)
もし徹夜して読んだら、1日で読める量だと思います。試してみてください。

99/10/31
松沢さん、丁寧なお返事どうも有り難うございました。
大変、参考になりました。
 
読む速度については、それほど変わらないとのこと。
とすれば、一日に読書時間が私よりかなり多いのですね。
ただ、私はまだ読み飛ばしができるレベルではありません。
(確かに日本語を読むときはつまらない、重要でない部分は適当に
読んでますよね)英語では、1行1行読んでいくのがやっとです。
 
ビクトリーアンカーについては、最近「もう1度基本に戻ってみても
よいかな」と思っていたので、早速試してみようかと思っています。
辞書と言えば、昨日 「語源中心英単語辞典」(南雲堂)というのを
買ってしまいました。こいつも読んでみようかと思っています。

 
私も「語源中心英単語辞典」は1992年版を持っています。
私の作っている語源辞書は、語根(Root)だけで10000単語になります。「語源中心英単語辞典」は語根に限れば、3000単語位あり、語源関連としては非常に充実しています。
 
語根以外に接頭語と接尾語の説明がたくさんありますよね。
接頭語と接尾語は「へん、つくり、かんむり」的に英単語を直感的に理解するために必須の学習項目です。ぜひマスターしてください。

ここにも、20000語の語彙が目標として述べられています。
 
最後に「Parotts' Law」ですが、なるほど、「1音1音の解像力」
ですか。その辺を意識して聞くようにしてみたいと思います。
最近CNNなんかを聞いていると、音としては認識しているのに意味
がわからない経験を時々するのですが、音の認識力は上がってきて
いるのにこれは音→意味のリンクが出来上がっていない証拠でしょ
うか。やはり、スクリプトのあるものを繰り返し聞くことも必要で
すね。
 
それでは、また。
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