BEYER for Musical Instruments

2005/3/21

「バイエル」はピアノの練習方法の本

この「発音バイエル」という章は、管楽器の教則本をイメージして作っています。管楽器の教則本は、 毎日少しずつ数百回繰り返して練習することにより演奏テクニックを身に付けるように書かれています。

楽器を習い始めたころは、教則本の半分が出来るようになるために、数ヶ月かかります。 全部できるようになっても、教則本1冊をこなすにはまる1日かかります。練習を重ねるにつれて、 教則本1冊をこなす時間が 1〜2時間になります。

プロの演奏家は、この教則本の重要な部分をほとんど毎日、一生練習を続けます。

『英語耳』の発音バイエルも、100回程度の練習に耐えられるようにと願って作りました。 できるだけたくさんの回数を繰り返して発音練習してください。回数を重ねて全部が出来る ようになったら、自分のための練習を 10くらいに絞り込んで選んで、 毎日練習するようにしてください。一生使えるはずです。

たいていは、本を買うと1回読んで終わりです。CDも2-3回聞いてそれっきりになる場合が多い ようですが、この『英語耳』のCDの意図は数十回は最低繰り返して欲しいのです。ただし数回で 飽きてしまうと思われるので、Listeningの章のParrot's Lawに進んで発音を習得する上で、必要性を感じてからまた、CDの練習に戻って欲しいと考えています。

CDは30分(発音バイエルの部分は25分)とコンパクトに作ってあります。 初めのうちはひとつづつ細切れに練習してください。はじめから、全体を通して練習しようとすると、 続かないですよ。全部が出来るようになるには人によりますが、1ヶ月あれば仕上がると思います。 全部ができるようになったら、あとは苦手なところだけを繰り返せば良いでしょう。

ロングトーン

管楽器のすべての基本となる練習に「ロングトーン」というものがあります。これは、 ひとつの音を続けてきれいに長く出す練習です。かなりテクニックが上がっても、 プロはロングトーンの練習を続けます。練習すればするほど感動的な音が出せるようになるからです。

ロングトーンは、一つの音を10秒程度きれいな音を保ちながら出すのです。 この練習は、本当にものすごーーーい効果があります。

楽器をやったことの無い人は、毎日毎日同じ音ばかり出していないで、 曲を練習したほうが上達すると考えがちです。ところが実際はこのロングトーンは奥が深いのです。

どういうことなの?

どんなに上手になっても、ロングトーンから毎回新しい発見があるのです。 この発見は、そのまま曲の演奏の改善につながります。

Parrot's Lawのたくさん繰り返すことに関係有るんでしょうか?

そうです、Parrot'sLawにもこのロングトーン効果を取り入れています。 フルートと尺八の 演奏家のKIKUMASAさんがに、このParrot'sLawに楽器のプロとして、すぐに効果がありそうだと賛同 していただけました。音楽界と言語学界が結びついて、1+1=3になるといいなと思います。

英語の発音のロングトーンを2つに絞るとするとSの発音と、[ :]の発音になります。 この2つの発音がきちんと出来るようになると、英語の発音は全部出来るようになります。

S- - S - - S - - S - -
:- - - - :

私は今でも、暇な時は上の2つの音のロングトーンをやってます。

えー、なんでー?

このたった2つの音を英米人のようにきれいに出せるようになるためには1年ぐらいの練習が 必要です。魅力的な自分の発音として身に付けるためには生涯学習の気持ちで一生研鑽する必要があります。

43個の音と52の練習課題

『英語耳』では、43個の米語の音を52の練習課題で練習してマスターします。楽器の練習と同じです。 全部出来るようになっても、何回も繰り返して練習してください。

この43個の音はどれも残念ながら、日本語とは発音方法がことごとく違います。

43の音は、子音が23個。図1を参考にしてください。母音が14個。図2を考にして ください。2重母音が5個。図3を参照。

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